メンズスーツはパッと見の形が大きく変化しないのでトレンドなんてあるのかと思われがちですが、そのスタイルやシルエットは少しずつですが確実に変化しています。ラペル(衿)幅やジャケットの着丈、肩幅、身幅等のほんのちょっとしたシルエットの差で、流行が如実にわかってしまうコワイ世界でもあります。
先秋冬シーズンからは、英国調クラシックなスーツがトレンドになってきているため、これまでのイタリアンなソフトスーツを着ている人は少し興味を向けてみてもよいかもしれません。英国調クラシックなスーツの特徴としては、太いラペル(衿)、スリーピース、長めのジャケット丈、タック入りパンツ、セミワイドやタブカラーのシャツなど、かっちりとしたドレッシーな印象のディテールがあげられます。
中でも英国調スーツ素材の象徴的な柄として、ウィンドウペンチェックがあげられます。ウィンドウペンチェックとは、1色のラインが交差して四角形をつくっているシンプルなチェック柄のことです。英国の伝統的な柄で、すっきりとしていながら子供っぽくならず、クラシックな印象になります。
グレーの濃淡の中に、流行色のコッパー(銅色)ぎみの色や落ち着いた深いパープルみのある色と組ませると、どこかカジュアルっぽさも感じさせる柄です。オーソドックスな無地やグレンチェックに比べると、ウィンドウペンチェックの要素のあるのスーツの方が、堅苦しくならず若やいだ印象でお洒落に見える事間違いなしです。